3日の会の折にしめた帯。
右が「黒髪」にしめた唐織の秋草。
左が「猩々」でしめた葡萄唐草です。
幕間に少しお話しもしましたが、会場がホールではなく、自然の中での会でしたので、秋のものを身につけました。
唐織とは、能の装束などに用いられる伝統的な織方で、どっしりと量感があります。
この唐織の帯、なんと七五三の時にしめたものなのです。
七つの女の子が身につけたものを、今もこの先も身につけられるなどということは、洋服では考えられません。(母の趣味を当時は恨みましたが…)
その季節だけしかしめられないということ、でもいつまでも長くつかえるということ、日本ならではだなぁと思います。
あと二日もすれば小雪となり、冬へと近づく候のはずですが、季節はずれのあたたかさに、少し、いえだいぶ不安を覚えます。
先日の会で、地唄の富田清邦先生にいただいたお花。
家の周りの木々はほとんど落ちて、枯れ木にリスの姿をよく目にするようになりました。
美しい季節の移ろいが年毎に失われている昨今ですが、ささやかな自然の変化に寄り添って過ごしたいと思います。