野球少女

意外に思われるのですが、若い頃私は野球少女だった。

ある程度年齢を重ねてから出会った友人知人には、野球に限らずスポーツ全般に興味が全くないように思われており、私としてはそれこそ意外なのですが、ついこの前のサッカーワールドカップも、日本戦はもちろん、決勝も気になってしまい、結局寝床からでて見てしまった。

野球を好きになったきっかけは高校野球で、その延長でプロ野球も見るようになった。

当時中学生だった私は、ヤクルトにテスト入団し、メニエール病を患いながら29歳で引退した栗山英樹さんのファンでもあり、試合も見に行った。子供の割には渋い選球眼でした。

大学進学で都内暮らしになってからは、関東の様々な野球場で観戦し、球場でアルバイトをしたこともあった。

そうしているうちに近鉄にいた野茂英雄さんが大リーグに行き活躍し、今やメジャー行きはトップ選手たちの必然となる時代となった。

私の人生も波乱に巻かれ、おそらく20代を最後に球場に足を運ぶことはなくなり、いつかどうか自然や静寂の方を求めるようになるうちに、すっかり遠のいてしまっていた。

今朝のWBC準決勝は本当に素晴らしかったです。

本当に久しぶりに、野球のおもしろさを思いださせてくれた、最高の試合でした。

一日興奮が冷めず、若い頃に夢みたあの感覚が蘇り、劇的な逆転サヨナラに狂喜乱舞した。(猫達が蜘蛛の子散らすように逃げて行った)

野球は9回からとはよく言うものの、あの展開の中ここまでのドラマをみせてもらえるとは、選手の皆さまには敬服しかありません。

大谷選手の凄さは言わずもがな、高校卒業後の進路を大リーグとしていた彼を唯一ドラフト指名し、また、二刀流の道に導いていった名伯楽の栗山監督にも、現役時代の苦労が別の形で報われているようで胸をうたれます。

ダルビッシュ選手を筆頭に多くの一流選手が日本代表として一つになっているのも、監督の持つ人間性も大きな原動力なのでしょう。

 

30年ほど前のオリックス時代のイチローさん。

あのイチロー選手でさえ、2009年のWBCでは見るのも辛いほど不振が続き、決勝の最後の最後で決勝打を打つというドラマがあった。

今日も大事な場面でも3三振とあたっていなかった村上選手の最後の姿に、あの時を思いだした。

どの選手の方も本当に素晴らしかったです。

人生常に9回裏の崖っぷちでも、諦めなければ続きがあることを、その姿から教えてもらいました。

明日の決勝も、全力で応援したいと思います。